損保ジャパン、ウエアラブル本格導入 火災保険被害調査を迅速化

ウエアラブル端末を着用して調査を行う社員(損害保険ジャパン日本興亜提供)
ウエアラブル端末を着用して調査を行う社員(損害保険ジャパン日本興亜提供)【拡大】

 損害保険ジャパン日本興亜が、火災保険の被害調査に眼鏡型ウエアラブル端末を本格導入して保険金支払いまでの期間を短縮することが16日、分かった。平均で約1週間かかっている被害調査・見積書作成までの期間を2日程度短縮する。これにより保険金の支払いも早くなる見込みで、被災者への迅速な支援につなげる。

 ウエアラブル端末は系列のリフォーム会社、フレッシュハウスに導入する。風水害や火災で損保ジャパンの火災保険に入っている住宅などに被害が出た場合、損保ジャパンから紹介を受けてリフォーム会社が調査と見積書の作成を行っている。

 現場で調査する社員がウエアラブル端末を着用。損保ジャパンから出向した専門オペレーターがパソコン画面上で、端末から送られてくる映像を確認しながら「写真を撮ってください」などの調査指示を出す。これまでは被害を撮影した写真や調査内容のばらつきから、見積書作成の段階で写真を撮り直すなどの追加作業が発生する場合もあったが、必要な調査を熟知したオペレーターが指示することで現地調査員の経験に左右されずに効率的に見積書を作成できる。

 10月からウエアラブル端末をフレッシュハウスの一部店舗で試験導入した結果、手続きの短縮や業務の効率化に効果があったため、来年9月までに全130店に導入することを決めた。