「東京撤退の直前に見つかった秘伝のレシピ」 串カツ田中の貫啓二社長が明かす開店秘話 (1/3ページ)


【拡大】

  • どの店でも、入り口の上には「串カツ田中」と大きく書かれた白テント看板が目立つ(東京都杉並区)

 「串カツ田中」は大阪のB級グルメとして知られる“串カツ”を全国展開している。

 常連でなければ入りづらい大阪下町の老舗とは対照的に、明るく、活気ある店舗づくりで家族連れなど老若男女が訪れている。9月には東証マザーズにも上場を果たした。貫啓二社長は「串カツをすし、ラーメン、天ぷらと並ぶ日本を代表する食文化に育てる」と意気込んでいる。

 --大阪の大衆食というイメージが強い串カツを東京を中心に全国展開している

 「もともと大阪の飲食店運営から始まり、東京に進出して高級京料理の人気店をつくり上げた。しかし2008年のリーマン・ショックの後、一気に客足が遠のいた。経営が傾き倒産を覚悟したほどだ。苦し紛れの中、最後の望みをかけて低予算業態として、その年の12月に東京・世田谷の住宅街に串カツ店を開店した。三等立地といわれる条件の物件だったが、近隣住民から支持され人気店となった」

 --なぜ串カツなのか

 「当社副社長の田中洋江が、かつて父親が自宅で作ってくれた串カツで店舗展開したいという事業計画を持っていた。しかしどうしてもその味が再現できず、断念して高級京料理店を出店した。その後、リーマン・ショックの影響で東京撤退の準備をしていたときに、田中の父親が残したレシピが偶然見つかり、ようやく再現できた。さっぱりして飽きの来ない、何度でも食べたくなる自信作だ」

「14年には串カツの本場大阪にも逆上陸し、繁盛店となっている」