三菱化学と宇部興産は13日、中国におけるリチウムイオン電池部材の電解液事業に関して提携すると発表した。2017年4月をめどに、両社の事業を折半出資の合弁形態に移行、技術の相互利用などを進める。今後は運営の詳細を詰めるほか、他の国に関係を広げることも検討していく。
中国では政府の後押しを受けて電気自動車(EV)が急速に普及し、搭載されるリチウム電池の需要も急増している。一方で、電解液では中国メーカーが台頭し、日本メーカーとの競争が激化している。このため両社は、互いの経営資源を持ち寄ることで中国勢に対抗し、事業を拡大したい考え。
電解液は、正極材、負極材、セパレーター(絶縁材)と並ぶリチウム電池の主要部材。世界シェアは三菱化学が約10%、宇部が8~9%で3位~5位につけており、中国ではともに江蘇省で生産している。