積水化学工業は30日、茨城県つくば市の分譲地で、20軒の家庭用蓄電池を連携させる「仮想発電所(バーチャルパワープラント、VPP)」の実証実験を10月に開始すると発表した。東京電力パワーグリッドが協力し、日本で初めて家庭用蓄電池から余剰電力を既存送電網に流す。
既存送電網を通じた買い取りや、電力融通の取り組みはすでに行われている。しかし、天気予報などで発電量を予想できる太陽光パネルと異なり、蓄電池から電力を流すことは、送電網の電圧を安定させるため行われていない。積水化学が2010~15年に北九州市で行った先行実験では専用の自営線を用いた。
今回の実証実験では、各住宅に大容量の蓄電池を設置し、余剰電力を参加住宅と同社事業所で融通し合う。送電網への影響調査や、蓄電池から流す際の適切なルール作りにつなげる。