プリウスは「もう特別なクルマじゃない」 豊田章男社長が語るエコカー新戦略 (3/5ページ)

トヨタ自動車が今冬の発売を予定する新型「プリウスPHV」(左)と、ハイブリッド車「プリウス」
トヨタ自動車が今冬の発売を予定する新型「プリウスPHV」(左)と、ハイブリッド車「プリウス」【拡大】

 カローラ並みに売れたプリウスはもう特別枠ではなく、ガソリン車同等の“普通のクルマ”として、環境貢献を当たり前にしていくことになった。言わば“エコカー”を卒業したのだと豊田社長は捉えている。

 新型プリウスPHVはどんなクルマなのか

 さて、北米市場でのエコカーの主役になるという重責を担うことになったプリウスPHVに話は移る。先代のPHVは販売的には成功したとは言いがたいものがあった。そこで今回、旧型の時に寄せられた声を元にさまざまな面から見直し、十分に対策を練って新型は登場した。

 PHVとはプラグインハイブリッドの略であり、普通のハイブリッドカーと違って、家庭用電源から充電ができる。つまりバッテリーが充電されていれば、スタートしてから電気を使い切るまでは一切エンジンを使わずに、電気自動車(EV)として走ることができるのが特徴だ。この電気だけで走れる距離を「EV走行距離」という。

 プリウスPHVのEV走行距離は、初代では発表値で26.4kmだったが、新型ではこれを大幅に伸ばし、60km以上とした。「EV走行距離が短い」という声に応えたものだ。

顧客調査で不評だった点はもう1つある