東京電力ホールディングス傘下の火力発電子会社である東京電力フュエル&パワー(FP)と、米ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下で火力プラント事業を手掛けるGEパワー(マサチューセッツ州)は26日、火力発電所を効率化するシステムの開発で合意した、と発表した。発電所の各機器をインターネットでつなぐ「IoT」で監視し、異常の検知や修繕期間の短縮を図る。原発停止で火力の効率化を迫られる電力他社への導入も探る。
両社は東電FPの富津火力発電所(千葉県富津市)にGEが開発した高度データ収集・分析ソフトなどを10月に導入。データはガスタービンや発電機といった機器にセンサーを取り付けて集める。運転状況を常時監視してガスの燃焼を最適化する。
また、タービンの羽にひびが入るなど機器の異常を、大きな故障に発展する前の初期段階でデータから素早く検知し、修繕などを最小限に抑え、発電設備の休止期間を短縮する。
東電FPとGEは1年かけて効果を検証。導入効果が実証できれば他の発電所にも広げる。電力小売りの競争で各社は火力発電のコスト削減が課題となっている。