大手電力は原発停止で代替する火力発電の燃料費負担が膨らみ、業績が悪化。電力小売りの全面自由化で異業種との競争も激化している。コスト削減などの経営合理化も限界に近い。
電力業界では、もんじゅの廃炉方針に伴う高速炉計画の転換で『政府などがプルサーマル発電の拡大を後押ししてくれるのではないか』との観測も浮上する。
だが、MOX燃料は通常のウラン燃料より高価で、大幅な収益拡大にはつながりにくいとされる。安全や電力の安定供給に加え、核燃料サイクルの維持という“義務”が加わり、大手電力の担う重責はさらに大きくなりそうだ。(佐藤克史)