電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は16日の記者会見で、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の存廃問題について、「原子力発電は重要な電源として活用していく必要がある。原子燃料サイクルもウラン資源の有効活用や廃棄物の減容化の観点から重要だが、もんじゅに関係なく進めていくことは可能だ」との見解を示した。
核燃料サイクルにはもんじゅのような高速炉を使う方式のほか、使用済み燃料からつくるプルトニウムを使った「MOX燃料」を通常の原発で燃やすプルサーマル発電がある。電事連は平成27年度までに全国の原発16~18基でプルサーマル発電を導入する計画だったが、現在、実施しているのは稼働中の四国電力伊方原発3号機(愛媛県)のみ。勝野会長はもんじゅの廃炉を念頭にプルサーマル発電の推進に注力する方針だ。
さらに、勝野会長は電力会社がもんじゅの受け皿になることを拒否する理由について、「軽水炉のわれわれには技術的な知見がない」と説明した。