また、英EU離脱決定を受けた対応策としては53社が「情報収集態勢の強化」を挙げ、最も多かった。金融機関は、EU域内で設けられている「単一パスポート」制度の扱いへの関心が高く、情報収集の内容では「単一パスポートを失った場合の影響や対応策」(証券)との回答があった。
フランスのトラック暴走や教会襲撃など欧州大陸各国で相次いだテロも企業に不安を与えている。ビジネスや観光を目的とする人の流れが停滞すれば「日本人の海外旅行の鈍化」(旅行)や「欧州路線の減収」(航空)が懸念されるためだ。クーデター未遂に伴う政情不安が広がるトルコをめぐっても、「出張の一部制限を実施」(自動車)などで影響が及んでいる。
一方、世界経済の懸念材料については、地理的に近く経済的な結びつきが強い「中国経済のハードランディング(急激な悪化)」が40%を占めた。英EU離脱決定などを受けた「欧州の景気悪化」は20%だった。