◆知名度向上が課題
消費者への知名度を高めようと、赤穂化成は海洋深層水の健康効果についてもさまざまな研究を重ねてきた。大学や研究機関との共同研究の結果、免疫機能の増強が期待できるほか、食後の血中の脂質上昇を抑制したり、ピロリ菌の増殖の抑制効果が大きかったりすることなど70件以上が学会で発表されている。坂井さんは「研究で分かった長所を生かした商品を顧客と一緒に考え、共同で特許を取ることもあります」と明かす。
かつての海洋深層水の一大ブームを知る坂井さんにとって、現在の消費者からの知名度の低さは不満だ。業務用では引く手あまただが、「店頭で名前を見かけることは少なくなった」と肩を落とす。
こうした中、行政サイドからも知名度を高めようとする動きが出てきた。赤穂化成は高知県室戸市から海洋深層水の供給を受けているが、高知県は14~16年度に国の補助事業を活用して飲用による健康面での効果を検証。検証結果は、今度の商品開発や商品販売戦略に生かしてもらう。
同事業の中間報告では、赤穂化成が販売する家庭向けの主力商品「天海(あまみ)の水」の飲用により、腸内の腐敗産物が減り善玉菌が増える傾向があったことが分かった。海洋深層水のブーム再燃のきっかけとなるか注目される。(鈴木正行)
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