日本証券業協会の稲野和利会長は1日の記者会見で、英国の欧州連合(EU)離脱決定に関し、「日本の証券会社も離脱交渉の行方次第では影響があり得る。必要な対策を迫られる可能性もある」と語った。
EUでは、金融機関が域内のいずれかの国で免許を取得すれば、他の加盟国でも支店設置や営業活動が容易になる「シングル・パスポート」と呼ばれる制度がある。稲野会長は「英国に進出する外国籍の金融機関がこの制度を利用できなくなる恐れがあるのは、これまでのロンドン市場の発展の流れに逆行し、ひいては市場の衰退にもつながりかねない」と懸念を示した。
その上で、「『シングル・パスポート』を取得して活動している日本の証券会社についても、欧州での業務展開をどのような陣容で行うかは、今後大きな検討課題になるのではないか」との見方を示した。