液晶パネル製造のジャパンディスプレイ(JDI)は16日、ライバルのシャープで液晶事業のトップを務めた元専務執行役員の方志教和氏(ほうし・のりかず、63)が7月1日付で副社長執行役員に就任すると発表した。
方志氏は液晶技術に精通し、亀山工場(三重県亀山市)の立ち上げや、スマートフォン向けパネルの取引拡大に貢献してきた。昨年6月に業績不振を理由に更迭され、専務執行役員を退任した。その後、顧問を務めていたが、今年5月末に退職した。
シャープを買収した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は液晶パネル事業の強化を打ち出している。だが、海外のスマホメーカーとの人脈が豊富な方志氏がJDIの副社長に就任することで、営業面では痛手となる。
また、シャープの社内には方志氏を慕う技術者も多く、今後もJDIへの人材流出が続く可能性もある。