経営再建中の東芝は26日、平成28年3月期の連結業績予想の修正を発表した。米原発子会社ウェスチングハウス(WH)を中心とした原発事業の価値を低く見直す減損処理を行い、連結営業損益に約2600億円の損失を計上する。一方、医療機器子会社、東芝メディカルシステムズの売却益の計上などにより、最終赤字は従来予想の7100億円から4700億円に縮小する見通しも示した。
東京電力福島第1原発事故の影響で原発の新規建設が滞り、東芝が平成18年に買収したWHなどのブランド価値に相当する「のれん代」の減損は大きな懸念材料だった。東芝によると、不正会計問題による収益力低下で会社の格付けが下がり、東芝グループ全体の資金調達コストが上昇。事業の実質的な価値が帳簿上の価値を下回ったという。
約3300億円ののれん代は大部分を取り崩し、残りは700億円となる。志賀重範副社長は「燃料やサービス、廃炉など(原発)事業自体は順調だが、親会社の状態を反映せざるを得なかった」と強調した。
連結の売上高予想は東芝メディカルや家電事業の売却により、従来予想より7千億円低い5兆5千億円に下方修正した。