13日、出そろった流通大手各社の平成28年2月期決算はいずれも増収、本業のもうけを示す営業利益も増益だった。ただ、訪日外国人旅行者の免税品販売が大きく伸びた百貨店に対し、流通大手2社は総合スーパー(GMS)事業が低迷し、最終利益は業態によって明暗がわかれた。
イオンが同日発表した2月期連結決算は、売上高にあたる営業収益が前期比15.5%増で過去最高の8兆1767億円と初めて8兆円を突破。営業利益も25.2%増の1769億円と好調だった。だが、主力のGMS事業は、営業利益が19.1%減の93億円と大幅な減益となった。
GMS事業を所管するイオンリテールの岡崎双一社長は「全体として改善しているが、(売り場や商品の)改革に遅れがあった」と認める。セブン&アイ・ホールディングス傘下のGMS、イトーヨーカ堂も営業損益が139億円の赤字(前期は18億円の黒字)に転落した。
対照的にコンビニエンスストアと百貨店は好調だった。コンビニ大手3社はいずれも過去最高の営業利益を確保。いれたてコーヒーやプライベートブランド(PB=自主企画)商品の販売が伸びた。ローソン、ファミリーマートは最終減益だったが、前期に計上した為替差益や関係会社売却益の反動減などによるものだった。一方、J・フロントリテイリングと高島屋の2社は増収増益を確保した。