三菱東京UFJ銀行は28日、経営再建中のシャープに対する新たな融資枠の設定を決めた。みずほ銀行も30日に設定を決める見通しで、主力2行は共同で計3千億円の融資枠を設ける。
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープに出資する条件として2行に新規の融資枠を求めていた。シャープは鴻海からの出資を当初予定の4890億円から1千億円程度減額したうえで受け入れる方針を固めている。
シャープと鴻海が30日にそれぞれ開く取締役会で正式に決まれば、シャープ再建がようやく本格化する。
主力2行は融資枠の設定に加え、保有する優先株の買い取りをめぐる条件変更や既存融資の金利引き下げを受け入れる。鴻海は2行が保有するシャープの優先株計2千億円のうち、1千億円分を額面で買い取る予定だが、買い取り時期を当初予定の今夏から「3年以内」に先延ばしする方針。