4日の会見を受けた報道で流れができていたほか、鴻海側が示唆したとみられる善管注意義務違反の可能性が、多くの取締役の判断を左右したことは想像に難くない。
革新機構は注意義務違反には当たらないとして、取締役の説得に奔走したが、遅きに失した。「全会一致」という結果が、両者の戦術の差を雄弁に語っていた。
高橋社長は25日、社内への訓示で、「郭会長の即断即決、好機にリスクを取る姿勢は素晴らしい」と持ち上げたという。鴻海は革新機構との争奪戦に勝ったが、シャープが勝者になれるかは、今後の経営再建の成否にかかっている。