シャープの決め手は何だったのか 巧みな“情報戦”既に負けていた革新機構 (2/4ページ)

2016.2.26 07:06

報道陣に取り囲まれ、車に乗り込むシャープの高橋興三社長=25日午後、東京都港区

報道陣に取り囲まれ、車に乗り込むシャープの高橋興三社長=25日午後、東京都港区【拡大】

 一方、シャープ側には破談に終わった4年前の出資交渉のトラウマがあった。鴻海はシャープへ9.9%出資するとした合意をほごにしたからだ。シャープの株価下落で合意した出資額に見合わなくなったのが理由だが、シャープOBは「鴻海は言いたい放題で、具体的な交渉になるとテーブルにつかないようなことが多かった」と不信の根底を説明する。

 さらに、郭会長は5日に大阪のシャープ本社で交渉した後、報道関係者に対し太陽電池事業を切り離す考えを示唆し、雇用も「40歳以下はリストラしない」と語り、条件を微妙に変化させていた。

 シャープは今月中旬、法務担当の幹部を台湾に派遣し、「雇用を守る」「一体的な再生を図る」「技術流出を防ぐ」などの具体的な条件を契約書に落とし込む作業に労力を費やした。鴻海が支援額のうち事前に1000億円を保証金として支払い、支援案が実行する“本気度”の担保とした。

革新機構の支援案は、機構を所管する経済産業省出身者や鴻海に…

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