環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で、携帯電話の国際ローミング(相互接続)料金の低廉化で各国が合意したことを受け、総務省はTPP参加各国の情報通信担当省庁と次官級協議に入る。
日本との行き来が増えているマレーシアやシンガポールなどASEAN(東南アジア諸国連合)各国と優先的に協議を進める方針で、すでに、両国やオーストラリアとは事務レベル協議を進めている。
ローミング料金は、各国の通信事業者の取り決めで決まり、国内通話料に国際通話料金が上乗せされる仕組みのため、マレーシアでは国内より2倍近く通話料がかかるなど割高で、利用者から不満の声が上がっていた。
総務省は、割高の要因となっている2国間の事業者による取り決めに引き下げ圧力をかけることに前向きで、マレーシアやシンガポール、オーストラリアとローミング引き下げに向けて、事務レベルで協議を進めている。
特に、タイとはローミング引き下げに向けて、4月末に大臣同士で共同声明に署名。その後、両国の事業者間での交渉も進んでいる。
高市早苗総務相も6日の閣議後会見で「国際ローミングも、締約国で透明性があり合理的な料金になるよう協力するように努める旨が盛り込まれた」と述べ、引き下げに期待を示した。
一方、国内の携帯電話事業者や一般の利用者向けには、TPPで国際ローミング低廉化に向けて各国で合意したことを周知するための説明会を総務省で年明けにも開く方針だ。