東京モーターショーは奇数年の10月前後にビッグサイトで開かれており、19年も開催する予定だ。主催する日本自動車工業会の池史彦会長(ホンダ会長)は「われわれも懸念している。ビッグサイトが使えなくなれば代案を考えるしかない」と話す。
ただ代案は難しい。開催時期を年前半に前倒ししたり、偶数年に変更したりするためには、海外のモーターショーなどとの調整が必要になるからだ。
首都圏では、多くの車両を搬入できる展示施設は幕張メッセ(千葉市美浜区)などに限られる。だが、幕張メッセも五輪でフェンシングなどの会場になり、代替開催できるかは微妙だ。パシフィコ横浜(横浜市西区)を利用する案も浮上するが、規模は縮小となる。
同様に毎年6月、ビッグサイトで東京おもちゃショーを開催する日本玩具協会も「展示スペースを確保できるのは東京近郊ではビッグサイトか幕張メッセくらい。五輪期間は幕張メッセに行きたいという希望もあるが、使えるかはわからない」と不安を漏らす。
東京五輪の組織委によると、事前準備で会場の占有を始める具体的な時期はIOCと協議中で、「まだ決まっていない」という。ビッグサイト側も「『答えられる情報がないので待ってください』と主催者に言っている」と困惑する。既存の経済活動への影響は避けられない状況だ。