家賃は6万~十数万円と周辺相場よりずいぶん安いが、入居する社員家族は電気やガスの使用量などが日々チェックされ、3カ月に1回のアンケートと聞き取り調査に応じることが条件だ。開発段階の製品もあるだけに、不具合の可能性もある。
ただ、都会の利便性と安い賃料に加え、次世代のシステムなどを体験できるとあって定員の3倍の応募がある。入居中の男性社員(48)は「公園や寺社が多く環境も良く、広々とした部屋でくつろげる。何より新しいエネルギーシステムの中で暮らしてみたかった」と話す。
住宅には大ガスが高価な次世代型のエネルギー設備がそろえている。現在、導入しているのはガスで発電と給湯を行う家庭用燃料電池「エネファーム」をのコンパクトな次世代型や太陽光発電パネル、これらを効率的に制御する「家庭用エネルギー管理システム(HEMS)」など。80項目の省エネ対策を実行すると水槽内の生き物が増えるデジタルゲームもある。
実験は1期約5年。現在は25年から始まった第4期で、32年の製品化に向けサービスを検証している。