■音楽配信とほぼ同時リリースの意味は?
iPod touchは電話こそかけられないが、通信機能には高速Wi-Fiやブルートゥース通信機能を標準装備しており、iOSやアプリなどのソフトはiPhoneと同じ最新版がそのまま使える。今回のグレードアップによって、容量不足や処理速度不足も解消し、ますます「電話抜きの格安iPhone」としての性格が強まった。むしろiPhoneが6/6Plusで大画面化を選択しただけに、むしろ携帯性、小ささが売り物にできる。
アップルは6月末に世界100カ国超で音楽配信サービス「アップルミュージック」を開始した。聞き放題タイプのストリーミング配信で、月980円と決して安いサービスではないが、今後の主要サービスとしてアップルでは期待している。
もちろんアンドロイド携帯やウィンドウズパソコンの利用者にもサービスは提供するが、価格が安くてある意味で最適化された端末が手頃な価格で販売されるのなら、それに勝るものはない。特に電話機能があるためにiPhoneにつきまとうバッテリー切れ問題が、iPod touchでは大幅に軽減されている。言うまでもないことだが、電話機能がないので、当然だが、月々の料金支払いに頭を悩めることもない。このあたりのお得感は、Wi-Fi専用タブレットと同じだ。
アップルミュージックは9月末までの当初3カ月はお試し期間として無料。この期間にiPod touch新機種を発売したことで、アップルでは後押しを含めて大きな相乗効果を期待しているようだ。