無洗米には国の基準がないため、同協会が認証していない無洗米が堂々と売られているうえ、最近では無洗米に加工処理するコイン精米機まで登場している。これらの無洗米は肌ヌカが取り切れていないものや、コメ肌にひびや傷がついたものが多い。そうした無洗米によって「無洗米はおいしくない」というイメージが消費者に定着し、無洗米全体の需要減少につながってしまう恐れもある。
環太平洋経済連携協定(TPP)の成立を視野に、農業の活性化、攻めの農業への転換が求められるなか、良質な無洗米は世界と戦う有力な武器になり得る。精米機業界や精米業者間の利害関係を乗り越え、国が無洗米の基準づくりに乗り出す必要性も高まっている。
◇
■味覚分析結果
(コメの種類/甘味+旨味-苦味/生理学的基本5味(甘味/塩味/酸味/苦味/旨味)/コク)
協会認証の無洗米/3.71/2.61/1.24/1.15/1.14/2.24/4.00
協会が認証していない無洗米/3.38/2.37/1.23/1.12/1.13/2.14/3.77
普通白米/3.45/2.42/1.21/1.13/1.15/2.18/3.83
注1 AISSYの味覚センサーで測定
2 ご飯のおいしさである「甘味」「旨味」を足し、マイナス要因である「苦味」を減じて評価
3 供試品の原料玄米はすべて同一の「2014年山口県産ヒノヒカリ」を使用
4 供試品はいずれも加工後十数日経過後に炊飯して測定。ただし普通白米は炊飯直前に手で洗米して炊飯した