協会認証無洗米は、無洗米の製造時はもちろん、家庭でもとぎ汁が発生せず、赤潮、アオコなどの発生原因となるチッソやリンを抑制できる。また、ボイラーを燃焼させないことから無洗米製造時のCO2排出量が少ないうえ、肌ヌカを有機質肥料・飼料として循環利用するなど、安全で環境に優しいとの評価を得てきた。今後はこれに加えて、酸化(劣化)が少なく、おいしさが長持ちするおコメとしても消費者に訴求していく。
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■無洗米の市場シェアは10%超 非認証品によるイメージダウン警戒
食生活の多様化に伴い、日本の1人当たり年間コメ消費量は減少の一途で、1985年度に74.6キログラムだったのが、2013年度には56.9キログラムとなっている(農水省調べ)。こうしたなか、協会認証無洗米はほぼ一貫して増加し、14年度の生産量は46万7000トン。1人当たりコメ消費量×人口1億2700万は約722万トンなので、認証無洗米の市場シェアは6.5%となる計算だ。ただ、主食としてのコメ消費量は400万~500万トンというデータもあり、実際の認証無洗米シェアは10%程度と推定される。
全国無洗米協会がこの時期に、協会認証の無洗米、協会が認証していない無洗米、普通白米の酸化(劣化)度、食味値を調べたのは、無洗米の需要が伸びていることが背景にある。無洗米は精米業者にとって有望市場になっており、そこに品質の劣る無洗米が大量に出回れば、無洗米の評価を下げ、好調な需要に水を差しかねないからだ。