都心にある大手ホテルで、訪日外国人客を対象にした宿泊プランの販売が相次いでいる。いずれも日本の文化やおもてなしをアピールしており“訪日初心者”向けの内容だ。
京王プラザホテル(東京都新宿区)は7月5日まで、世界遺産に登録された富士山に関するグッズやすし、てんぷら、すき焼きが一度に楽しめる宿泊プランをインターネットのホームページを通じて販売。1人当たりの1泊料金は2万円から(1室2人利用の場合)。同ホテルの外国人比率は約70%と高く、外国人宿泊客向けに茶道や生け花の体験教室も実施している。
グランドプリンスホテル高輪(同港区)は12月30日まで、和室に宿泊し、日本文化を体験できるプランを販売。敷地内の約2万平方メートルの日本庭園にある鐘楼での鐘突き体験や抹茶の提供、けん玉や紙風船などで遊ぶこともできる。1人当たりの2泊料金は3万306円(1室2人利用の場合)から。
ホテル椿山荘東京(同文京区)でも2年前から日本庭園を望む部屋に宿泊し、すし、てんぷら、鉄板焼きが楽しめる夕食を用意したプランが好評だ。料金は1泊1人当たり5万円から。
帝国ホテル東京(同千代田区)のネット限定商品は、ゲストアテンダント(客室係)が東京駅などに到着した宿泊客をホームで出迎え、ハイヤーでホテルまで案内する。日本のおもてなしの心が味わえるなどとして、訪日外国人客からの予約がある。1泊1人当たり5万円(1室2人利用の場合)から。9月30日まで。
訪日外国人客の増加を背景に、大手ホテルの宿泊率は80%を超える高水準を維持。各ホテルとも、付加価値の高い企画商品を投入し、訪日外国人のニーズを取り込もうと懸命だ。