コンビニ経営にとって100円コーヒーは“うまみ”が多い。コーヒーは原価に対する利益率が高い。店内のほかの商品の粗利は平均約30%だが、コーヒーは50~60%とされる。コーヒーと一緒にパンや菓子などの「ついで買い」をする客も多いので売上げも伸びて収益性が上がる。
コーヒーは他の飲料に比べて習慣性の大きい嗜好品で摂取頻度も高いため、新規顧客の獲得と定着にも効果がある。機械さえ導入すれば特別な技能がなくても同じ味が出せるのでオペレーションも容易だ。
2014年のコンビニ大手5社のコーヒー販売計画は前年の2倍にあたる計13億杯だったが、今年はさらに強気の計画を立てている。新たな販売戦略の柱はコーヒーと相性のいい「ドーナツ」だ。セブン-イレブンは2015年度中に1万7000店のレジ横にドーナツの専用ケースを設置して年間約6億個の売上げをめざす。
ファミリーマートも4月上旬からドーナツの新商品を発売。ローソンも今年8月までに、ドーナツ専用什器を備えた店を現在の600店から8000店に増やし、1日平均100個を売り上げる計画だ。