スイスの通貨政策の変更が日本の時計メーカーにとって追い風となっている。スイスの通貨フランが主要通貨に対して大幅に上昇したことから、スイスの高級時計メーカーが日本を含む一部の国・地域で値上げに踏み切り、国産高級時計の価格競争力が相対的に高まっているためだ。セイコーウオッチは、主力の高級腕時計「グランドセイコー」の2015年の売り上げが前年比で2桁増になると見込んでおり、百貨店なども国産時計の販売強化に乗り出す構えだ。
スイス・フランは、スイス国立銀行(中央銀行)が1月中旬に対ユーロでの上限撤廃を発表したことで急騰。スイスの高級時計メーカーは為替変動の影響を吸収するため、2月から3月にかけて値上げを進めている。
オメガは2日、一部を除いて平均で約5%の値上げを実施し、主力品の価格帯は70万~80万円となった。オメガは昨年4月の消費税増税時にも一部商品で平均5%値上げしている。