■百貨店を核に周辺地域とともに成長
--2014年はどんな年だったか
「4月の消費税増税後、外商や富裕層の消費は6月ごろから回復してきた。訪日外国人向けも、いい調子で推移している。一方、ボリュームゾーン(普及価格帯)は、予想より回復が遅い。天候の良しあしにもすぐ左右される。長いレンジでみると、もともと高額品は伸びるトレンドにある。今後も品ぞろえの幅を充実させ、顧客拡大の施策を打ち出していく」
--足元の消費傾向は
「『1人二極化』が強くなっている。若い人は、日用品は安いもので我慢する一方、お金をため、自分が本当にほしいもの、たとえば何十万円もする高級腕時計を買ったりする。選択肢も多様だ。こうした傾向に対応すべく、『新百貨店モデル』構築を進めている。大丸東京店などが代表だが、ハイエンドのブランドを展開する一方、若い人が利用するセレクトショップなども誘致し、買いやすい価格を手がけていく」
--今後の集客戦略は
「百貨店を核にして周辺地域を成長させる『アーバンドミナント戦略』を進める。エリアを自分たちで活性化しながら集客力を高め、地域・百貨店ともに成長していく。百貨店の魅力を高める一方で、われわれ自身が周辺に店を借りたり、駐車場ビルを改装して店を作ったりして海外ブランドを誘致し、雰囲気ある街を作る。もちろん戦略に適した地域とそうでない地域はあるが、圧倒的な収益力が期待できる。17年に松坂屋上野店南館を、若者向けのパルコやシネマコンプレックスが入った高層複合ビルに建て替えるプロジェクトも、戦略の一環だ」