パナソニックで企業スポーツ推進を担当する福井靖知役員は「本当に愛される企業スポーツとは何か」と問い続ける。強さを養い、日本一を狙うために企業スポーツを3チームに絞るだけにはとどまらない。ブランド力向上、社員の士気高揚につながる付加価値以外に、直接事業に貢献する新たな付加価値づくりを目指すなど、新しい企業スポーツの姿を模索する。
◆競合他社と差別化
--企業スポーツを推進する狙いは
「3つある。1つ目は社内の活性化と一体感の醸成。2つ目は選手がパナソニックの看板を背負って頑張る姿を通じてブランド価値を上げること。最後は、選手交流などによる青少年の育成や地域社会への貢献。『A Better Life,A Better World』というブランドスローガンを推進している。これは人を中心により良い暮らしをという趣旨で、スポーツを通じて感動を与えることも良い暮らし、潤いを届けることにつながる。これらのためにスポーツにかかわる社員や関係者が取り組んでいる」
--五輪スポンサーになるなどスポーツを重視する企業文化と感じる
「五輪スポンサーは明らかに他社と違う点。企業スポーツの枠を超え、スポーツを通じて日本人の一体感を醸成するとともに日本ブランドの向上にもつなげられる。最高位のスポンサーとしてリーダーシップを発揮し、ビジネスの機会を増やしていくだけではなく、世界の青少年や地域に貢献できることで競合他社との差別化になる」