NTTが7日発表した9月中間連結決算は、営業利益が前年同期比9.5%減の5909億円と4年連続で減益になり、最終利益は10.3%減の2903億円と減益に転じた。海外事業などは増収となったが、稼ぎ頭であるNTTドコモが減収減益と不振だったことが大きく響いた。
携帯電話事業は、定額通話や小容量のデータ通信プランへの移行が予想以上に進み、ドコモの営業利益が同15・5%減の3995億円にとどまった。一方、クラウドサービスやデータセンターなどの海外事業は好調で、前期より約1900億円の増収だった。
通期業績予想は大幅に下方修正した。売上高は従来予想より1900億円少ないの11兆100億円(前期比0・8%増)に、営業利益は1200億円少ない1兆950億円(9・8%減)に、最終利益は570億円少ない5290億円(9・6%減)にそれぞれ減額した。営業利益、最終利益とも従来予想では0.1%増と微増を見込んでいたが、減益に転じる。
NTT連結営業利益に占めるドコモの比率は、米ヴェリオ買収に伴う損失を計上した02年3月期を除けば、ピークの03年3月期に77%だったが、前期は66%まで低下。今期予想ではさらに58%と減り、ドコモ依存度が薄らぐ。
鵜浦博夫・NTT社長は「業績不振の理由ははっきりしている。ドコモにはナンバーワン通信事業者に復活してほしい」と挽回に期待するが、厳しい収益環境はしばらく続きそうだ。