富士フイルムホールディングス(HD)が30日発表した2014年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比0.7%増の1兆1828億円、営業利益が24.7%増の715億円、最終利益が28.9%増の405億円と増収増益になった。高級ミラーレス一眼デジタルカメラや医療機器、アジアなどでのオフィス向けカラー複合機などの好調が貢献した。通期見通しは据え置いた。
グループの富山化学工業が製造し、エボラ出血熱に効果が期待されている抗インフルエンザ薬「アビガン錠」に関し、すでに増産などを決めているが、今後の業績影響については、「治験中ということと、どのくらい拡大していくか不確定要素が多い。影響まで読むのは難しい」(助野健児取締役)と明言を避けた。収益を度外視してでも供給するかについては「まずは、困っている人を助けるのが社会的使命だ。政府とも協議を重ねながら進めており、今後の進捗(しんちょく)を見守りたい」と述べた。