VWの日本法人は10月14日、初の量産EV「e-up!(イーアップ)」を来年2月1日に国内発売すると発表した。価格は366万9千円だが、政府の補助金で購入者の負担は300万円を切るという。
VWの動きを牽制するかのようなタイミングで、一部のメディアが「トヨタがFCVの発売時期を12月に前倒し」と報じ、別のメディアも同様のニュースを掲載。次世代エコカーをめぐり、FCVとEVの各陣営の覇権争いが激しさを増しつつある。
虎視眈々の中韓、米国勢…
当然のことながら、トヨタ、VW以外の競合他社にとっても次世代エコカーの事業化は経営の最重要課題だ。すでにEVを発売している三菱自動車、日産自動車のほか、ホンダは来年にもFCVを発売する。
また、FCV分野ではホンダと米GM、日産と独ダイムラー、米フォード・モーターの3社がそれぞれ連携するなど、次世代エコカーをめぐって合従連衡も進んでいる。韓国の現代自動車、中国の上海汽車集団などもFCV市場でのシェア獲得を虎視眈々と狙う。
FCV、EVとも充填(じゅうてん)・充電ステーションの整備という大きな課題はあるものの、自動車各社にとって次世代エコカーは一大商機となる。日本の自動車関係者は「各社とも高度な技術力を持つが、エコカーに関してはトヨタが頭一つ、二つ抜きんでている。その後に続くのがVWだろう。業界標準をめぐっては、この2強を軸に進むのは間違いない」と指摘する。