大阪ガスが丸紅と共同で石炭火力発電所を茨城県内で建設する検討に入ったことが3日、分かった。実現すれば、大ガスにとって東日本で初めての発電所となる。平成28年の電力小売り全面自由化をにらみ、エネルギー各社の動きは活発化している。東京電力は今月から、関西などの家電量販店向けに電力販売を開始。関西電力も宮城県内で火力発電所の建設を計画するなど、激しい前哨戦が始まっている。
大ガスは出力を10万キロワット級と比較的小規模にすることで建設期間を短縮し、29年にも発電開始を目指す。
同社は国内で計約180万キロワットの発電設備を保有しているが、立地はすべて愛知県以西と電気の周波数が60ヘルツの地区。50ヘルツの首都圏で本格的に販売するには、現地で電源をもつ必要があった。建設費負担に加え、競争が激化する中で利益を上げられるかを慎重に検討し最終判断するとみられる。
大ガスは電力事業を収益の柱に置き、国内の発電能力を現在の約2倍にまで引き上げる目標を掲げている。今後も発電所建設の検討を進めていく方針だ。