2期連続で巨額赤字を計上していたシャープが、平成26年3月期連結決算で黒字転換を果たした。最終損益は115億円の黒字(前期は5453億円の赤字)と、昨年5月発表の中期経営計画で必達目標に掲げた50億円の2倍以上だ。ただ会見で高橋興三社長に笑顔はなかった。
これまでは厳しい発表内容でも表情を和らげる場面はあったが、今回は仏頂面を通した。関係者は「リストラ効果による一過性の黒字で社内に『危機は去った』と勘違いが広がるのを怖れたのでは」と話している。
笑顔なしの意味
「中期経営計画1年目として比較的順調に滑り出した」
3年ぶりの黒字転換を発表した高橋社長は厳しい表情のまま、こう語った。
26年3月期は売上高が前期比18・1%増の2兆9271億円、本業のもうけを示す営業利益は1085億円(前期は1462億円の赤字)だった。
部門別でも、前期は液晶や太陽電池、デジタル情報家電など4事業が営業赤字だったが、26年3月期は主要事業すべてで営業利益を確保した。25年3月期に1389億円の赤字だった液晶事業も415億円の黒字に転換した。