1月にはマレーシアで行われた千葉県の県産品商談会にも参加し、ニンジンジュースやみそなどを売り込んだ。現地の旅行代理店などからは「環境問題に対応した農業を学ぶために見学ツアーを組みたい」といった申し出もあり、小林さんらの活動は着実に広がりを見せている。
同社の農場は兵庫県にもあり、小林さんは「ポテンシャルはまだまだある。多くの人に僕らの考えを感じてもらえる場にしたい」と話した。(大島悠亮)
【会社概要】
▽住所=千葉県木更津市矢那2503 (電話0438・52・0470)
▽創業=2010年3月
▽資本金=125万円
▽従業員=9人
▽売上高=3000万円(13年度)
▽事業内容=有機野菜、鶏卵などの販売
≪インタビュー≫
小林武史社長「本当の幸せと豊かさ」主体的に考える
--音楽界で大成功しながら、なぜ農業に関心を
「(2001年の米中枢同時テロが起きた)9・11後、循環型社会のありさまを『ap bank』を通してみていこうと考えた。音楽も都市の娯楽を支えることの一つだけど、音楽を作って人に届けるということは、循環から生まれると感じていた。お金偏重の社会よりも本当の幸せ、豊かさについて僕らが主体的に考えていくことが必要。今後もミュージシャンではあり続けるけど、社会のあり方に対して人ごとにしてはいけないという思いから、農業法人を立ち上げた。『消費の動向が変われば未来が変わっていく』という思いが根底にあって、オーガニックレストランから僕らが食材を選ぶだけではなく、作ることに携わってみたかった」