生命保険会社の提供する一時払いの終身保険や個人年金保険など貯蓄性商品が2015年度から大きく変わる。金融庁が利回りを決める基準となる標準利率の算定方法を見直し、利回りの変更がきめ細かくできるからだ。生保各社は金利上昇局面で、競合する定期預金や投資信託に資金が流れないよう、主力の貯蓄性商品の利回りを設定できるなどとして期待している。
「生保だけでなく顧客にとっても利益にかなう。大変時宜を得た対応だ」。18日に会見した佐藤義雄生命保険協会会長(住友生命保険会長)は、契約者に約束する利回り(予定利率)の基となる標準利率のルール変更を歓迎した。
ルール変更に伴い、私たちの保険はどうなるのか-。金融庁が4月1日に公表した改定案は、標準利率算定の参照とする金利を10年国債の3カ月平均と1年平均の低い方とより実態に近くし、変更の条件も緩和する。見直す頻度も年に4回に増えるという内容だ。
一方で10年国債の3年平均と10年平均の低い方を参照に年1回だけ見直すのが今の枠組み。ただ、これでは日銀の金融政策によって金利が今後上がりやすくなった場合、それが標準利率、予定利率に反映されるのに時間がかかる。
しかし、15年度以降は「金利が上がっても銀行窓口で一緒に販売される預金や投信の利回り上昇にひけをとらない利回りを機動的に設定できる」(準大手生保幹部)。