≪インタビュー≫
□宮本誠社長
■チラシで実績、紙以外の印刷も挑戦
--3Dプリンター導入で注目されている
「3Dのフィギュアは立体的記念写真と思ってもらえばいい。『そっくり』という言い方をされるが、その人を撮影したのだから当然。写真で『本人に似ている』とかいう言い方はしない。印刷技術は3Dに通用することが多く、画像処理や色の調整など長年、チラシ作りで培ってきたものが生きた」
「やってみて分かったが大手はフィギュア作りはやらないのでは。実は手作業が多い。全方位から撮影、計測したデータで作るが、微妙なずれの修正や表情を本人らしくするにはコンピューターで丁寧に直さないといけない。メークでくっきりと見える顔が、実測すると見た目より凹凸がなく、どちらが本人らしいか、という場合もある。立体化した後もやすりで表面を仕上げて滑らかさを出している」
--将来の展望は
「市場はこれから。普及が進み、値段が下がる第2、第3世代になると広がりも出てくる。10人くらいの企業なら10周年で社員全員の人形を作ろうとか退職記念やペット、子供、ブライダルなどでの需要もある。イラストやCGの建築パースを立体模型にして住宅メーカーが顧客に説明する選択肢もある」
--これまでチラシ作りで実績を挙げてきた。理念は
「スピード感を大切にしている。印刷機はB3判用だけ。B2判用はないが、受注したらB2印刷機を持っている会社に頼めばいい。それより小回りを利かせ、小ロット多品種に重点を置く。UV印刷機も他社に先駆けて導入した。紫外線照射による速乾性がありフィルム、プラスチックなど紙以外の印刷もできる。最先端のものを取り入れている。自分がファミコン世代で新しいもの好きというのもあるかも。バブルも経験したし、パソコンにも抵抗感がない。われわれより若い世代は意外と堅実で冒険しない。だから、自分たちがやらなきゃ誰がやると、勢いで進んでしまう場合もある」
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