人工皮革は、合成繊維の生地にポリウレタンなどの合成樹脂を塗布して製造する。基礎となる合繊では、日本メーカーが吸温性や速乾性に優れた機能性繊維を開発するなど高い技術力を蓄積。こうして培った技術を応用し、シューズでも画期的な商品を生んだ。
例えば米ナイキ製に採用されている「スキン皮革」は、極薄のメッシュとポリウレタンフィルムを組み合わせ、はだしのような感覚を実現した新素材だ。
耐久性やフィット感が課題とされた人工皮革は90年代、天然皮革の代替品として汎用(はんよう)モデルに多く採用されたが「今では天然皮革を超える性能を発揮できる」と久保社長は断言する。
軽さとグリップ力
人工皮革は同社のほか、東レや旭化成、クラレの合繊大手4社が主に製造する。その中で帝人コードレは80年代から開発をスポーツ分野に特化、2000年代からサッカー分野を強化した。今では売上高約50億円のうちスポーツ分野が7割で、その約3分の1がサッカー関連だ。