建設業界、ODAに注力 日本の経済支援強化 大きな商機 (1/3ページ)

2014.2.20 06:23

導水トンネルが貫通し、日本とマレーシアの国旗を掲げて喜ぶ工事関係者ら=19日、クアラルンプール(鈴木正行撮影)

導水トンネルが貫通し、日本とマレーシアの国旗を掲げて喜ぶ工事関係者ら=19日、クアラルンプール(鈴木正行撮影)【拡大】

 日本の建設業界が、円借款や無償資金協力などの政府開発援助(ODA)事業の受注に注力している。安倍晋三首相が東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を重視し、ODAなどによる経済支援を打ち出しており、日本企業にとっても大きな商機となるからだ。海外進出の歴史やノウハウがある大手ゼネコンは意欲的だが、地方や中小の建設会社は尻込みしているのが現実だ。国土交通省は相談窓口などを設置し中小などへの支援を強化している。

 19日、清水建設や西松建設がマレーシアで、地元企業とJV(共同企業体)を組んでパハン州とセランゴール州の州境で建設を進めていた導水トンネルの貫通式典が開かれた。

 2009年6月に着工し総延長は44.6キロというアジア最大級のインフラ整備プロジェクトだ。受注額は約384億円(09年当時の為替レート)で、このうち75%は円借款で賄われた。清水建設の高野博専務執行役員は「今後は地下鉄などの交通、電力施設だけでなく、水ビジネスや省エネなどの環境インフラが増えてくる」とみる。

東南アジアのインフラ需要は旺盛

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