ただ、トヨタが提携相手として選んだBMWは、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独ダイムラーと違い、燃料電池の開発はこれまでほぼ手がけてこなかった。このためトヨタの技術力に頼るところが大きく、「トヨタにとって協業による効果は限定的ではないか」(同)という声もある。
高橋主査も、「FCV開発においてはトヨタに一日の長があり、提携関係は現在のところ緒についたばかり。強みが生かせるよう進める」と、提携によるメリットが享受できるのは当分先とみている。
トヨタとしても、提携関係を広めることにはなお関心は高いとみられる。電気自動車の普及が見通せない中で、FCVは次世代エコカーの本命に浮上。BMWとの提携前に、トヨタはGM、独ダイムラーとも提携を模索してきたが折り合いがつかなかった。ホンダからも提携を持ちかけられたが、「交渉が不調で破談になった」(ホンダ幹部)経緯もある。そのホンダは結局GMとFCV開発で提携した。