トヨタは02年にFCV「FCHV」を、08年に進化させた「FCHV-adv」をそれぞれ発売したが、価格の高さやインフラ整備が整っていないことで、主に法人向けのリース販売にとどめていた。
その後、小型・軽量化とコストダウンへの取り組みを加速。15年に初の市販車として販売する計画だ。燃料電池システムを納めるスペースが最も狭く、開発のハードルが高いセダン型のFCVをまず発売し、車種を広げる。
試作車は、走行性能でHVと遜色がなく、発進時の加速感はガソリン車よりも優れているという。7日に行われた走行試験では、愛知県豊田市の本社から晴海までの322キロの長距離走行に成功。残りの水素残量を計算すれば、650キロ程度まで走行可能だったといい、ガソリン車並みに走れることも実証した。
田中義和・製品企画本部主査は「(高い)トヨタの品質を確保して発売できるかが問題。出だしでつまずけば、信頼性を大きく損なう」と気を引き締める。