ライバルの国内最大手コンドームメーカー、オカモト(東京)の男性社員も「質の高い製品を五輪で配布したい」と口をそろえる。
相模ゴムやオカモトが、五輪選手村での配布に熱を上げる理由は何なのか?
実は、五輪選手村でのコンドーム配布は“無償”のため、メーカーの直接利益には結びつかず、出費が膨らんでしまう。メーカー側が無償配布の見返りに期待するのは、「グローバルな宣伝効果」という。
相模ゴムは、1994年のリレハンメル(ノルウェー)五輪で、現地企業でないにもかかわらず初めて選手村でコンドームを配布。98年の長野五輪では、約2万個を配布し、“実績”を築いてきた。
現在、日本では避妊用具の8割がコンドームだが、米国では3割にとどまり、避妊薬「ピル」に押されている。
前述の担当者は「多様な人種が一堂に集まる五輪で“自信作”を配布すれば、世界各国から問い合わせが殺到する。その宣伝効果で、ピルよりもコンドームを愛用する外国人が増えるきっかけになるかもしれない」と期待を寄せる。