【ITビジネス最前線】ツイッター 利用者頼みのモデルに限界 (2/4ページ)

2013.9.16 05:00

 フェイスブックのデータはそのほとんどが公開されているのだが、ツイッターの成長についてもそれとほとんど同じと推測して話を進めてみよう。ソーシャルネットワークの主要な指標であるDAU(1日にサービスを利用したユーザー数)の伸びが最も大きいのは、アジアと「世界のその他」の地域である。「世界のその他」は、ソーシャルネットワークにとっては、ユーザー当たりの価値が非常に低い地域を意味している。フェイスブックは平均してユーザー1人につき1.60ドル(約159円)を稼いでいるが、「世界のその他」地域ではユーザー当たり0.63ドルだ。

 北米やほとんどの主要市場では成長はほぼ横ばい。ツイッターのIPO申請書類は公表されていないが、趣意書からは、恐らくこれと似たような収益や成長の傾向が見て取れるのではないかと想像される。ツイッターはフェイスブックと本質的に同じ課題を抱えているだろう。

 今後の成長を確保するには、ツイッターはフェイスブックと同様、すでに確立された主要市場においてユーザー1人当たりの平均収益を増やすすべを見いださなければならない。ユーザーデータの新しい収益化の方法が必要だといったのはその意味だ。

 ◆緩やかに成長鈍化

 ただ、ここにひとつ問題がある。ゆくゆくは、ユーザーがこれらのサービスを使うのをやめるということだ。10年から20年の間に必ず世代交代は起こり、文化的にも時代は移り変わっていく。北米では、多くの若者がだんだんとプライバシーに懸念を抱くようになっている。特に、スノーデン氏の事件以来、政治的にもエネルギーがみなぎっている大学生たちにその傾向が見られるようだ。

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