パナソニックがデジタル家電の開発過程を改め、試作品に樹脂を使い立体物が簡単に作れる「3Dプリンター」を全面的に使用することが7日わかった。従来は白物家電の試作品などが中心だったが、より小型で複雑な形状が求められるデジタルカメラなどでも3Dプリンターを活用する。試作品の開発コスト削減とスピード化により、新製品の開発を効率化する考えだ。
パナソニックは、カメラなど小型デジタル家電の新製品について、原則的に3Dプリンターを試作に使用する方針に転換。デジタル家電を扱うAVCネットワークス社(大阪府門真市)などに3Dプリンターを数台設置し、一部の試作品で導入を始めた。今後、活用例を増やすために台数を増やす方針だ。
試作品はこれまで、樹脂や金属などを手作業で加工するケースが多かった。テレビなどの大型家電と違い、微細な部品を精密に加工する必要がある小型デジタル家電の場合、手作業には時間がかかり、試作に数週間かかる場合もあった。