これに対し、ライバルのKDDIとソフトバンクモバイルも指をくわえて見ているわけではない。他社から乗り換える場合、基本利用料の割り引きや端末の割り引きのほか、固定電話とスマホのセット割引を打ち出すなど、顧客争奪戦は一段と激化しそうな気配だ。
ドコモにとっての悩みは、他社にユーザーを奪われる構図が続いていることだ。月別でみると、MNPの制度が始まった18年10月から直近の25年6月まで6年8カ月連続で転出超過しており、累計は約517万件にのぼる。特に、米アップルの人気スマホ「iPhone(アイフォーン)」の発売以降、他社への流出数は増加傾向にある。
加藤社長は「ツートップ戦略の効果はすぐに出ない」と述べ、成果が出るには時間がかかるとの認識を示した。しかし、ツートップ戦略など一連の販売戦略が不発で終われば、昨年と同様に販売促進費の大幅な積み増しが避けられない。そうなれば、うわさされているアイフォーンの導入も現実味を帯びてきそうだ。