KDDIやソフトバンクモバイルなど他社に顧客が奪われる状況に変わりはなく、「ツートップ戦略は新規顧客の獲得の面ではドコモの期待どおりの成果は出ていない」(MM総研の横田英明取締役)との声もある。
戦略の誤算はこれだけにとどまらない。ツートップに選ばれた2機種とそれ以外の機種の販売台数に極端な差がついたことだ。ツートップ戦略の開始に伴い、6月から販売台数に応じて代理店に支払う販売奨励金を一時中止したことも販売の二極化に拍車をかけた。シャープやパナソニックなどツートップ以外のメーカーの今夏モデルの6月末までの販売台数は約1万台から約7万台と低迷している。
戦略見直し
ドコモはこうした状況を打破するため、販売戦略を大幅に見直す。今月12日には、中止していた代理店への販売奨励金制度を再開。さらに、ソニー製を除くスマホを5千円程度の値下げに踏み切る。他社への顧客流出を食い止めるとともに、従来型の携帯電話からスマホの買い替えを促す。