日本郵政グループは曲折の末、三度目の経営陣刷新に踏み切る。20日の株主総会後、坂篤郎社長の後任に郵政民営化委員会委員長の西室泰三氏(東芝相談役)が就任するほか、18人の取締役のうち17人が退任するなど経営陣を大幅に入れ替える。
経営体制の一新は、完全民営化に前向きな菅義偉官房長官らの意向ともいわれるが、経営陣を民間主体に変えても、日本郵政グループは新規業務の参入凍結など課題は山積している。しかし、明確な成長戦略を描けておらず、約2年後を見据える株式の上場計画は視界不良だ。
「トップがこうコロコロ変われば、現場のモチベーションは上がらない」
全国郵便局長会の黒田敏博会長は政治主導による度重なるトップ交代は現場の士気に影響を及ぼすと懸念する。平成19年10月の発足以来、5年半の間に4人とめまぐるしいトップ交代が続いている。