持ち株会社の下にAIGグループの保険会社を集約し、一体的に運営することで「日本のマーケットに合った意思決定をよりスピード感をもって行えるようになる」(ノディン社長)というのが最大の狙いだ。
公的資金返済終え
グループ会社の一つ、アメリカンホーム保険の橋谷有造社長兼CEOは「1社では対応できなかった大きなビジネスに、AIGグループとして取り組むことが可能になる」と語り、グループ内での連携強化の効果に期待を示す。
AIGが積極的な戦略に転じた背景には、2008年の金融危機による経営悪化で米政府から受けた公的資金の返済を終えたことで、従来の「守り」から「攻め」に転じる環境が整ったことがある。公的資金は一時1823億ドル(約18兆5600億円)に達したが、AIGは昨年末までに227億ドルの利益を上乗せして完済。公的管理のくさびから解き放たれた。