ただ、都市部の地下鉄トンネルはスペースが狭く、アンテナ装置を取り付けにくい。距離が長い上に曲がりくねっているため、駅のホーム部にアンテナを立て、トンネル内に電波を送り込む方法は「ほぼ全域で不可能」(通信大手)だった。
そこで同協会が採用したのが、内部に開けたスリットと呼ばれる穴から外部に電波を漏らすことで、ケーブル全体がアンテナとなる「漏洩(ろうえい)同軸ケーブル」方式。車両の窓の高さに合わせて線路沿いに敷設し、車内に電波が届きやすくした。
ケーブルは地下鉄の各駅で携帯各社が共用している光伝導装置(子機)に接続。光ファイバーで子機と地上の親機を結び、親機から携帯電話4社の基地局につなげる仕組みだ。