電波が届かない「不感地帯」だった地下鉄トンネル内でも携帯電話が利用できるサービスが、東京や大阪など主要都市で急速に広がっている。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の普及とともに、車内でメールやウェブサイトの閲覧を望む声が急増。トンネルの構造上の制約を携帯電話会社が技術革新で克服し、マナー問題を抱える鉄道各社とも連携して利便性の向上を実現した。
都内では3月末に都営地下鉄がアンテナ設置工事を終え、全線のトンネル内で携帯電話の利用が可能となった。11日には横浜市営地下鉄がブルーラインのあざみ野-新羽、グリーンラインの中山-センター南でサービスを始め、年内に全線で携帯電話に電波が届くようになる。
通信事業者などで作る「移動通信基盤整備協会(JMCIA)」によると、道路のトンネルでは出入り口付近にアンテナを立て、トンネル内に電波を送る「吹き込み式」を主に採用。地下街では地下の一角にアンテナ装置を設けるのが一般的だ。