韓国サムスン電子は月内に経営再建中のシャープの発行済み株式3%を取得し、第5位の大株主に躍り出る。
ライバル企業の技術者を高給で引き抜いたり、強引な営業手法などで“傲慢企業”といわれ、韓国国内でも反感を買うサムスン。資金不足から「宿敵」との提携に踏み切ったシャープだが、今後の展開次第では、この決断がマイナスに働く局面に陥るかもしれない。
シャープはサムスンの日本法人を引受先とした103億円の第三者割当増資を月内に実施。サムスンの出資比率は3・04%になる。
シャープは昨年3月、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業から669億円の出資を受ける契約で合意したが、シャープ株の急落で交渉が難航。契約は白紙になる見通しで、資本増強が喫緊の課題になっており、サムスンとの提携はその一環だ。
サムスンの狙いは、液晶パネルの安定的な調達とされるが、業界内では「狙いはもっと深い」との声が聞こえてくる。